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マンションについて~ジュリスト特集

Jurist (ジュリスト) 2010年 6/15号 [雑誌]BookJurist (ジュリスト) 2010年 6/15号 [雑誌]

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マンションの管理組合というのは、賃借人ではなく所有者が関与するものであるが、その地域の子供会・婦人会・老人会などの団体の活動においては、マンションを所有していなくても「居住者」が、よりよい居住環境整備の一環として組織されるものだそうだ。かつて、「賃貸物件に住んでいるけど自治会に入っている」という既婚女性の証言を聞いたことがある。
マンションの所有者(オーナー)には「居住者」と「非居住者」がいる。非居住者にはいろいろな理由があって住んでいないのだろうが、管理組合の役員をやらなくてすむということになる。このことから、住環境を快適にするための組合活動の恩恵を受けながら、役員をやらなかったり、活動に参加しない対価として「協力金」を数千円余計に納めさせようという決議が成立し、裁判になった。裁判では「その場の活動に参加しないのだから代わりにおカネを払う」のも合理性があるとし、一般管理費・修繕積立金の1万8千円に加えて「千円程度」を余計に払うのが無難だろう、とした。実に興味深い判例だ。
国土交通省の推計によれば、平成20年末現在、日本におけるマンションのストック戸数は約545万戸であり、居住人口は約1400万人に及ぶ。すなわち、日本の総人口の1割以上の人々がマンションに居住している計算だ。その中で、築30年以上の高経年化マンションはすでに約83万戸となっている。今日に至るマンション大量供給の結果として、今後も築30年以上の高経年化マンションの戸数は増大していくのだ。マンションの法律を知ることも非常に筋のいい研究となっている。私のアパートに、以前「フレッツ光・マンションタイプ」という勧誘が来たのだが、厳密な意味では私のアパートは「マンション」ではない。マンションとは、中高層(3階建て以上)・分譲・共同建で、鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリートまたは、鉄骨造の住宅をいう。
マンションの所有者は「修繕積立金」というのを積み立てているが、おおまかに言って、「その形状または効用の著しい変更のともなわない」修繕は議決権の過半数の普通決議で行える。建物の基本的構造部分の取り壊しなどをともなわずに階段にスロープを併設し、手すりを追加する工事などは普通決議で行う。他方、エレベーターを増設する工事など、共用部分である外観や構造などを著しく変更する場合は「特別決議」といって、議決権の4分の3による決議できめる。それぞれ「区分所有者数および議決権」の過半数、あるいは4分の3、となっているが、ペントハウスの金持ちが発言権を持つようなものが「議決権」なのだろう。あたま数が「区分所有者数」だと思われる。
アメリカの新聞を見る面白い。"Real Estate"(不動産)という項目があるのだ。スポーツや国際とかの記事の最後に「不動産」というのがある。いろいろ理由はあるようだ。アメリカでは、コンドミニアムという強力な団体的拘束を認める不動産の慣習があり、子供の有無・年齢・宗教による譲渡・賃貸・用途制限のルール化が認められていたり、コウオペラティブやホーム・オーナーズ・アソシエーション(HOA)があったりして、不動産という分野が特殊な関心事となっているようだ。
マンションというのは「時間」と「空間」における共同体だ。弁護士に相談しても「規約を調べる」「話し合う」ぐらいしか答えは返ってこない。環境に不満があれば、金持ちだけが「出て行く」ことが可能で、おカネがない人がすべてを引き受けなければならない、という構造もある。管理組合が、しっかりと専門家の意見を聞いて、建物の劣化のための積み立てをやっていたり、良心的な運営をすることは難しい。組合役員に400万円の報酬を払っている事例もあり、紛争解決のためには豊富な事案を知ること、解決のための方法を知っていることが大事だ。住民による「ハブリ」などは最悪の解決法に見える。
ジュリスト2010年6月15日号特集「居住状態の変化とマンションをめぐる法的課題」

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